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クリスマスのヤドリギの意味と由来とは?ヤドリギの下でキスするのはなぜ?

投稿日:2018年12月6日 更新日:

ヤドリギという植物を知っていますか?
ヤドリギはクリスマスイブの誕生花です。
日本ではあまり知られていませんが、欧米ではクリスマスを象徴する植物として広く知られています。
あまり知られてはいないですが、実はヤドリギは日本にも生息しています。
ヤドリギにはロマンチックな伝説がいくつもあるので、そんな豆知識を付けることで粋な演出に使うこともできるかもしれません。
ヤドリギってどんな植物?どこにあるの?
ここでは、そんな疑問にお答えしましょう。

ヤドリギは欧米のクリスマスの風物詩


クリスマスに関係の深い植物と言えば何を思い浮かべますか?
日本でイメージされるクリスマスを象徴する植物と言えば、クリスマスツリーに使われるモミの木やクリスマスリースに使われる柊などが有名どころですよね。
これら以外にも、欧米でクリスマスの風物詩として有名な植物がヤドリギです。
ヤドリギはとてもスピリチュアルな要素が強い植物で、クリスマスととても関係が深いのです。
国や地域によっては、クリスマスにはヤドリギを玄関につるす習慣があるところもあります。
中にはヤドリギを球状に編み込んだキッシングボール(Kissing Ball)を飾るところもあります。
この玄関につるしたヤドリギには魔除けの意味があり、その下を通ることで不死の力を得るという伝説があるそうです。
後ほど詳しくご紹介しますが、ヤドリギは大地に根を張らずに木の上で生育します。
一年中生育してますが、特に落葉樹の葉が全部落ちた状態になるとよく目立ち、生命力あふれる神秘的な雰囲気を醸し出しています。
その様子から、欧米の人々にとって再生や永遠の命のシンボルなったと言われています。
他にも、ヨーロッパの先住民族ケルト人が信仰していたドルイド教では、ヤドリギを聖なる植物として崇拝し、冬の到来を祝うのに使っていたそうです。

ヤドリギとはどんな植物?


ヤドリギというのは、漢字で書くと「宿り木」「宿木」「寄生木」と3種類あります。
具体的な植物の固有名詞ではなく、ビャクダン目に属するビャクダン科、オオバヤドリギ科、ミソデンドロン科の寄生植物の総称です。
ヤドリギにはヨーロッパ原産のものと、西/南部アジア原産のものがあります。
多くは半寄生植物で、ミネラルは宿木の栄養分を吸収しつつ、その他の栄養に関しては自力で光合成も行って賄っています。
ブナ・ミズナラなどを中心とした落葉で比較的背の高い木に寄生しますが、日本では桜に寄生している例もしばしば見られます。
ヤドリギが数個寄生しただけでは宿木が枯れることはありませんが、たくさん寄生した宿木はその栄養分が吸収され枯れてしまうこともあるようです。

ヤドリギの花

ヤドリギの花はあまり目立ちません。
なぜなら、黄緑色をしており遠目に見ると葉に溶け込んでしまうからです。
大きさは直径2-3cm程度あります。
茎の分かれ目に直接くっついているような、とても変わった咲き方をします。

ヤドリギの実

ヤドリギの実は種類によって白や黄色、赤色をしており、粘度の非常に高い繊維に包まれています。
一つ一つは小さな球状をしていますが、潰すとその繊維によってくっついてしまうほどです。
これは、種子を木の幹にくっつけ、再び寄生するためだと考えられています。
また、実はまずくて食べることはできません。
ただし実を食べられないというのは人間の話で、食べるものがなくなる冬には鳥に食べられます。
特にヤドリギには、キレンジャク・ヒレンジャクなどの鳥が集まります。

日本で見られるヤドリギの種類

政界には多くの種類のヤドリギが存在しますが、日本のヤドリギはセイヨウヤドリギの亜種とされています。
実は薄い黄色やオレンジっぽいものもあります。
宿主樹木はエノキ・クリ・アカシデ・ヤナギ類・ブナ・ミズナラ・クワ・サクラなど幅広いのが特徴です。

ヤドリギはどこにある?


ヤドリギを実際に見たとこがありますか?
実は気づいていないだけで、冬になると目にしたことがあるかもしれません。
都会でも、木の多い公園では見ることができるところもあります。
冬の落葉樹の葉が落ちた時期に、高めの木があれば見上げてみましょう。
また、クリスマスに向けてヤドリギを探している人もおり、インターネットで検索するとヤドリギが生息する場所のSNS情報や口コミがあります。
木になる人は検索してみてくださいね。

ヤドリギの花言葉

そんなヤドリギには、ロマンチックな花言葉があります。
ヤドリギの花言葉は

  • 困難に打ち克つ
  • 克服
  • 忍耐
  • キスしてください

などです。
「困難に打ち克つ」「克服」「忍耐」というのは、落葉樹の葉が落ちた冬でもヤドリギが緑を保つことが由来だと考えられています。
雪の降り積もる中でも緑を保っている様子は、生命力にあふれています。
「キスしてください」といのは、ヤドリギの伝説にもちなんでいます。
いわば、キリスト教のクリスマスの風習の一つです。
詳しくは後ほどご紹介しています。

ヤドリギに伝説が多い理由


では、ヤドリギに伝説が多いのはなぜでしょうか?
それはヤドリギの他の植物とは違う見た目にあったようです。

大地に根を張らない

ヤドリギは宿木の上で生育します。
大地に根を張らずにまるで中に浮いているような姿は、宿木に寄生しているとわかっていても不思議なものです。

冬でも緑を保っている

ヨーロッパの冬、多くの植物は葉を落とします。
その中でヤドリギだけが、青々とした緑を保っているのです。
ヤドリギは1年中生育していますが、他の植物が葉を落とす冬に特に目立ちます。
寒い冬だからこそ、その姿に強い生命力を感じるのです。

古代の人々

上記理由から、古代の人々はヤドリギに神秘的な力を感じていたと言います。
特にヨーロッパ人の先祖であるケルトの人々は木を神聖視していました。
中でもヤドリギには特別な力が宿っていると特に大切にしてきたそうです。
ケルトの人々にとって、ヤドリギは不死を意味しており、重要な儀式は必ずヤドリギに寄生されたオークの下で行われていたと言われています。

北欧神話

北欧には多くの神話があります。
その中に出てくる不死身の神バルドルを倒せる唯一の武器がヤドリギで作った槍だったと言われています。
その他にも、

  • 魔除けの力がある
  • 雷除けの力がある
  • 妖精が住んでいる

とも言われてきました。
特に妖精は冬の寒さを逃れるために冬のヤドリギに「宿る」と言われているそうです。

ヤドリギの下でキスするのはなぜ?


欧米には、クリスマスシーズンにカップルがヤドリギの下でキスをするという風習があります。
では、ヤドリギの下でキスをするのはなぜでしょうか?

ヤドリギの下でキスをすると

ヤドリギには神秘的な力があると信じられており、その下でキスをすることで永遠に結ばれるという言い伝えがあります。
そのため、「Let’s kiss under the mistletoe(ヤドリギの下でキスしよう)」というのは、口説き文句にもなっているそうです。

ヤドリギの下ではキスを拒めない

ヤドリギの言い伝えや風習は地域によっても少しずつ異なります。
中には、

  • ヤドリギの下にいる女性にはキスをしてもいい
  • ヤドリギの下でキスを断った女性は翌年結婚のチャンスが遠のく
  • ヤドリギの下にいる女性はキスを断ってはいけない

などどいうような、男性にとって都合のいい伝説もあるようです。

kissing ball

欧米には、ヤドリギを使って球状の飾りを作ります。
この飾りはkissing ballと呼ばれています。
クリスマス時期にはこのkissing ballを玄関にかけますが、そこには魔除けや神聖なクリスマスを迎える準備など、地域によっても様々な理由があるようです。

ヤドリギの下でするのはキスだけではない

ヤドリギの下でキスをするというのはあまりに有名ですが、実はそれ以外にもヤドリギの下でする習慣はあります。
ヤドリギの下でハグをすることで、ヤドリギが持っている幸運と長寿のパワーを得ることができると言われています。
ヤドリギの神秘的なパワーにより更に信愛を強めることができるということで、家族や大切な友達との間でも行われるそうです。

日本でヤドリギがメジャーじゃないのはなぜ?

日本にはキリスト教を信仰する人の割合は欧米に比べて格段に少ないですよね。
ですが、クリスマスは一年間の中で最も大きなイベントと言って過言ではないほどに成長しました。
そして、クリスマスに関する多くのグッズや習慣が日本に取り入れられています。
クリスマスツリーや、クリスマスディナー、そしてたくさんのイベントも行われますよね。
ですが、ヤドリギがあまり日本で定着しなかったのはなぜでしょうか?

キスやハグをする習慣がない

欧米に比べて、日本人にはキスやハグをする習慣があまりありません。
ましてや、ヤドリギが生息しているのは屋外の人通りのある場所です。
そんなところでキスやハグなんてできないという人が多く、「ヤドリギの下でキスをしよう」といわれてもピンとこないことが多かったようです。
ですが、近年は、ヤドリギを探して告白やプロポーズに使うカップルも出てきているようです。

冬でも緑が多い

日本は欧米諸国に比べて冬でも緑が多いですよね。
国土の多くが森林というのもその理由かもしれません。
そのため、冬に青々と茂っている緑を見ても、そこまで神聖な雰囲気を感じないというのも理由の一つだと考えられています。

まとめ


いかがでしたか?
ヤドリギは日本でも近年少しずつ注目されるようになってきています。
ヤドリギが生息している公園では、「ヤドリギの下でキスをしませんか?」と宣伝文句にしているところや、イベントが行われることもあるようです。
恋愛だけに限定してしまうと日本人には少し気恥しいところがあるかもしれませんが、クリスマスはヤドリギが持つ神秘的な力を体験するチャンスでもあります。
もし歩いていてヤドリギを見つけたら、足を止めてじっくりと見てみてはいかがでしょうか?
何か感じるものがあるかもしれませんね。

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